名取市閖上地区は津波により多くの犠牲者が出ていること且つ自宅の太白区からも近いことから、震災後に何度も足を運んできましたが、東日本大震災10年という節目に合わせて3月3日(水)に慰霊を兼ね訪ねてきました。
閖上漁港の近くにあった小高い日和山に立ち、津波にのみこまれた海岸や町並方向に眼をやると、子供時代に海水浴をした海岸、釣り竿を垂らした港の岸壁や貞山堀、釣り餌のごかいを買いに立ち寄った釣具店の跡地などは大きく形や姿を変え、今、造成し整地された無機質の風景が目の前に広がっています。
「もう10年たったのか」「まだ10年しかたっていないのか」それぞれ立場の違いにより思う気持ちは異なりますが、慰霊の碑に立ち、震災前の「閖上」に思いをはせ寂しさを感じるのは私だけではないと思います。
現在、復旧・復興の名のもとに新た に街づくりが進められていますが、海と共に生きてきた美しい海辺の町「閖上」の匂いを少しでも残していただき、津波で亡くなった多くの犠牲者の思いを次の世代に紡いで行って頂ければと願っています。
私も足腰が元気なうちは、子供時代の海の遊び場だった「閖上」が今後どのように変化していくのかこれからも楽しみ見守り続けてまいります。
2021年3月11日
宮城県支部協議会太白地区協議会 阿部忠敏